✅1
今回の講義では、実際の台本作成術を解説します。
この章のゴールは「良い台本を執筆できるようになること」です。
✅2
そのために、初級編は「ゆっくりライティング独特のルール」、
中級編は「台本の書き方」、
上級編では「維持率を伸ばすためのテクニック」という、3段階構成で解説します。
講義の最後では画像挿入について、著作権周りの注意点や台本を作成時の時短テクなどを紹介します。
まずは、ゆっくりライティング独特のルールについてです。
まずはキャラの特徴を知ることです。
✅3
ゆっくり解説では主に「霊夢」と「魔理沙」という2体のキャラが登場します。
立ち位置は左が魔理沙、右が霊夢のパターンが多いですね。
他にもたくさんのキャラがいますが、原則はこの2体を理解していれば大丈夫です。
キャラクターの違いは、キャラ絵、声の高さ、口調です。
キャラ絵のことは、今後「立ち絵」と表現します。
立ち絵と声の高さは編集パートで解説するので、今回は口調だけ覚えてください。
まずは2キャラに共通する点から解説します。
共通しているのは「性別、一人称、文頭」です。
両キャラとも性別は女の子で、一人称は「私」です。
余談ですが、このキャラクターは人ではなく「饅頭」と言われています。
続けます。
また、魔理沙と霊夢は基本的に「敬語を使わない」という点も共通しています。
友達同士、2人の会話という設定があるからです。
ただし、視聴者に問いかけるときには敬語を使う場合もあります。
次に文頭ですが、
普通の会話のような「感嘆詞」や「接続詞」「リアクション」「相槌」を使う場合がほとんどです。
✅4
感嘆詞とは、驚きや感動を表現する「おお、まあ、あら、ほー、あれ、うわ、ひゃー」
などや、同意、不同意を表現する「はい、ええ、いいよ、ああ、うん、いいえ、いや」、
理解を表現する「なるほど、ふうん、ほー」、
考えている最中であることを表現する「ええと、うーん、あの、その、さあ」、
呼びかけを表現する「もしもし、ねえ、あの、おい、ほら、それ、さあ、せーの、ちょっと」
などがあります。リアクションを取る側が使うことが多いですね。
接続詞は、主に解説役のキャラクターが使います。例えば、
うしろに当然の結果が続く順接の際は「それで、だから、そこで、すると」、
うしろに予想外の結果や展開が続く逆説では「でも、しかし、だけど、けれども、ところが」、
うしろに補足的な内容が続く並立では「あと、また、そして、なお」、
前後のどちらかを選ばせるような内容が続く対比では「それとも、または、もしくは」
うしろに説明や補足が続く補足では「つまり、なぜなら、すなわち」
うしろに、話題を変える内容が続く転換では「ところで、さて、では」
を使います。
リアクションは、相手が言ったことに対する反応です。例えば、
「たしかに!」「分かる!」「そんなことないよ!」「嘘でしょ!?」「嫌だ!」などですね。
また、1人の説明が長くなる際は、途中で相槌を入れることもあります。例えば、
「ふむふむ」「それで?」「へー」「そうなんだ」などです。
✅5
次に文末ですが、こちらはキャラによって明確に使い分けされています。
まずは霊夢ですが、女の子っぽい、柔らかい話し方をします。
語尾は、
~なんだ
~じゃないかな
~だよ
〜だね
〜するよ
〜なの?
〜かな
そうなんだ
体言止め
が多いです。
次に魔理沙ですが、やや男の子っぽい、尖った話し方をします。
語尾は、
~なんだぜ
~じゃないか
~だよな
〜だな
〜だぜ
〜するぜ
〜なのか?
〜か?
〜だ
〜な
〜ぜ
そうなんだぜ
体言止め
などです。
語尾だけ読んだら、どちらが話しているか分かるのがゆっくりの特徴です。
これらの相違点と共通点を理解していれば、ゆっくりのルールは理解できたも同然です。
✅6
次は2人の役割を決めましょう。
ゆっくり解説では伝統的に、「解説役・聞き役」「ボケ・ツッコミ」の2軸でキャラを設定します。
「解説役×ボケ、聞き役×ツッコミ」か「解説役×ツッコミ、聞き役×ボケ」のどちらかですね。
この役割を霊夢と魔理沙に設定します。
ちなみに「ボケとツッコミ」は、ジャンルによって必要ない場合もあります。
純粋に情報だけを伝えるジャンルであれば笑いの要素が必要ないからです。
また、高等テクニックとして「両方ボケ」「両方解説」のようなシーンを作ることもありますが、
それは台本執筆に慣れてから挑戦してください。最初はこのルールに則りましょう。
解説役を魔理沙にするチャンネルが多いように感じます。
聞き役の知識レベルですが、これもチャンネルによって様々です。
ある程度予備知識があるパターン、全く知らないパターンに大別でき、
全く知らないパターンでも「察しが良いパターン、察しが悪いパターン」に分かれます。
聞き役の知識レベルを下げれば下げるほど「視聴者にとって分かりやすいチャンネル」になりますし、
上げれば上げるほど「テンポ感の良いチャンネル」になります。
視聴者の好みとテーマの難易度によって、聞き役のレベルを設定してください。
✅7
ここで注意点ですが、初心者が陥りがちなミスの一つに「文頭と文末が連続で被る」というものがあります。
特に文末が多いです。霊夢のセリフで例えると、
〜なの?
〜なの?
〜なの?
と同じ形で質問し続ける場合などです。
聞いたら分かるのですが、かなり違和感があるので、
〜なの?
〜かな?
〜だと思うけど、どうなんだろう?
など、言い換えをしてください。
文頭も被りがちです。特に聞き役に多くなります。
例えば、
たしかに〜、
たしかに〜、
と、反応にバリエーションがなくなるパターンです。
そういう場合は、
たしかに〜、
へー、そうなんだ。〜
などのバリエーションをつけましょう。
こうすることで違和感を減らし、離脱率を抑えることができます。
ここまでで、各キャラの特徴と、セリフの注意点はご理解いただけたかと思います。
✅8
次に、台本を書く際の文字数等について説明しておきます。
ポイントは「全体の文字数」と「1行の文字数」です。
まずは全体の文字数です。「動画の長さ」に関わってくるので、しっかり覚えてください。
結論から言うと、4000文字以上が理想です。
YouTubeで稼ぐためには、投稿した動画に広告を挿入する必要があります。
広告は動画前、動画中、動画後に挿入できるのですが、
8分以下の動画では「動画中」に挿入することができません。
ちなみに、動画前に入れる広告を「プレロール広告」、
動画中に入れる広告を「ミッドロール広告」、
動画後に入れる広告を「ポストロール広告」と言います。
基本は全ての広告を挿入します。
ここからが肝心です。
ミッドロール広告は、入れる場合と入れない場合とで収益性が1.5~2倍ほど変わります。
全然違いますよね。
なので、せっかく動画を作るなら、なるべく多くの広告を入れた方がいいと僕は考えています。
ゆっくりは「長く視聴されやすいジャンル」なので、8分以下にするメリットはほぼありません。
1000文字あたり2分ほどになることが多いので、
基本は4000文字以上、余裕を持って5000文字以上がオススメです。
次に、1行あたりの文字数について説明します。
これはライバルチャンネルに合わせるのがベターです。
視聴者が好むテロップのサイズに合わせるべきだからです。
ジャンルによって、視聴者の好み、視聴媒体、集中力は違います。
視聴者のメイン媒体がスマホであれば、文字は大きい方がいいですし、
テレビやタブレットで視聴しているのであれば、少し小さくても構いません。
また、ゆっくり文字を読みたい人にとっては、一度に表示される文字数が多い方がいいので、
文字を小さくした方がストレス度を下げられます。
逆に、集中力のない人が多い場合は、画面に変化があると離脱率を下げられるので、
テロップを大きくしてガンガン切り替えていった方がいいです。
これらの文字サイズについては、
ライバルが試行錯誤して適切な文字サイズを見つけているはずなので、
素直に従いましょう。
僕は色んなチャンネルを見ていますが、1行27文字前後のチャンネルが多いように感じます。
ここまで、台本を上での基本的なルールについて説明しました。
次は、実際の台本の書き方について解説します。お疲れ様でした。
✅1
ここからは、具体的な台本作成方法について解説します。
この章でも、ライバル分析が軸になります。
まず、台本を書き始める前に準備することがあります。
✅2
それは「台本の型」です。
ゆっくりではジャンルによって、視聴者に好まれる「型」があります。
テレビを例にすると、水戸黄門が分かりやすいですね。
水戸黄門のストーリーは型がほとんど同じです。
まず冒頭シーン、黄門様一行が旅の道中に立ち寄った町で、
まじめに働いている庶民が困っているところからスタートします。
そして、庶民を苦しめているのは悪い役人が出てきます。
その後、黄門様は身分を隠して事件に介入し、
番組が始まって40分くらいで大立ち回りがあり、
終盤で印籠を出してトドメを刺します。
毎回同じです。
ベタな展開ですが、それゆえに視聴者は安心して見られますし、
作る側も楽になります。
双方にメリットがあるので、チャンネルを立ち上げの際に型をいくつか作成しておきましょう。
✅3
方法は簡単です。
まずはライバルの人気動画を5本、新着動画を5本見ます。
その際、以下の手順で、自動生成された文字起こしテキストを取得すると便利です。
✅4
パソコン画面で説明しますね。
まず動画ページを開いたら、チャンネル登録ボタンの上に点が横に3つ連なったマークがあります。
✅5
そこをクリックすると「文字起こしを開く」という文字が出てくるので、クリックしてください。
✅6
するとこのように、タイムスタンプと自動生成された字幕の文字が表示されます。
AIによって自動生成されているので多少のミスはありますが、
構成を調べる上では特に気にならないレベルです。
もしタイムスタンプを消したいという場合は、
✅7
右上に点が縦3つで並んでいるので、そこをクリックして、
「タイムスタンプ表示を切り替える」というメッセージをクリックしてください。
✅8
するとこのように文字だけになります。
このままコピペできるので、ワードやGoogleドキュメントにコピーしてから、
構成を分解していきます。
構成はジャンルによって様々ですが、
多くの場合はオープニングトーク300〜500文字、本編4000文字以上です。
✅9
そして、本編の中に色々なパターンがあります。
心霊スポット5選を例にすると、オープニングトークをした後、
概要説明100文字、そこで起こった事件200文字、事件当事者の声300文字、
心霊スポットになった理由説明300文字、補足説明100文字、
で計1000文字の章立てを5つ、合計5000文字にする、などですね。
◯選系は章を並べるだけなので楽な場合が多いです。
食の解説を例にすると、
飲食店の説明300文字、飲食店が起こした不祥事2000文字、世間の反応1000文字、
飲食店側の対応策2000文字、美味しいメニューの紹介1000文字、合計6000文字強、などです。
これらの「型」が一つのジャンルごとに複数あります。
企画によって合っている型が違うからです。
それらをストックしておき、企画によって使い分けてください。
✅10
型を作ったら、企画、タイトル、サムネイルを確認します。
ここでのポイントは、先にタイトルとサムネを作っているということです。
よく、動画を先に作って、あとからタイトルとサムネを考える人がいますが、
この方法だと良い動画を作りづらいです。
アナリティクスの章でも解説しますが、動画の評価は「クリック率」と「視聴時間」が重視されています。
なのでタイトルとサムネに凝る必要があります。
しかし、動画を先に作ってしまうと、
その動画のクオリティ内でしかタイトル・サムネを作れません。
逆に「クリックされるサムネとタイトル」を先に作っていれば、
それに合わせて台本や編集の質を上げることが可能です。
なので必ずタイトル・サムネから作成してください。
この講座では、台本を書く前に「良いタイトルとサムネが仕上がっている」という前提で話を進めます。
タイトルとサムネを見たら、それを満たすための台本を作成します。
台本作成のために、まずはリサーチをしてください。
リサーチする順番は、最初にライバル及び自分の同テーマ動画、
次にブログ記事、必要であればQ&Aサイトや書籍、です。
✅11
まずは同テーマの動画を必ず見てください。
ライバルはどういう切り口で、どういう構成で作っているかを確認します。
全く同じにしてしまうとパクリになりますし、
パクっていなくても同じ切り口や構成で出すと、一度見た視聴者は離脱してしまいます。
なので「切り口や構成が被らないようにするため」にも、必ずライバル動画をチェックしてください。
過去に自分が同テーマで動画を出していたら、それもチェックします。
情報が被らせないため、主張に矛盾を生じさせないためです。
この段階で、ライバル動画のクオリティもチェックしておきましょう。
✅12
次に、ブログやサイトの記事です。
必要な情報をリサーチして、自分の台本にコピーしていきます。
具体的な方法を解説しますね。
まず、情報の取得できそうなキーワードで検索し、上位表示10記事の「見出し」をチェックします。
記事を丸々コピーするのでなく、見出しごとにコピーすると管理しやすくなります。
台本に使えそうな見出しを見つけたら、台本執筆用のドキュメントにコピペします。
見出しが集まったら、最初に決めた型に沿って構成します。
簡単なプロットを作成するのもいいですね。
全体の順番を整理しつつ、不要な箇所があれば削除してください。
このプロット作成が台本ライティングの肝になりますが、それは次回の講義で解説します。
✅13
記事収集とプロット作成が終わったら、次は会話風のリライトです。
チャンネル設計時に霊夢と魔理沙の役割を決めていると思うので、それに従って2人の会話を作ります。
ここで、書き言葉をそのまま使ってしまうと違和感が出るので、
女の子2人の会話であることを常に意識してリライトしてください。
また、ジャンル的にエンタメを許容できるのであれば、台本の途中に小ボケを挟んでもいいでしょう。
ボケは視聴者の集中力を取り戻す効果があります。
ただし、入れすぎるとクドくなるので、全体で2〜4回程度で大丈夫だと思います。
ボケのくだりはラリーを1〜3回程度にとどめ、長くなり過ぎないよう注意してください。
初心者の方は、ボケのくだりを延々やってしまうミスを犯しがちです。
ゆっくり茶番ならそれでもいいのですが、解説の場合は情報提供がメインなので、
やり過ぎないようにしましょう。
これで、具体的な台本作成法の解説を終わります。
次の講義では、台本の質を上げるためのテクニックについてお伝えします。
お疲れ様でした。
✅1
今回の講義では、台本の質を上げる方法について解説します。
✅2
いきなりですが
あなたは、「台本の質」はどこで判断されると思いますか?
再生数でしょうか。登録者数でしょうか。
それも間違いではないのですが、ダイレクトに反映されるのは
「視聴者維持率」と「反応率」です。
視聴者維持率とは、簡単に言うと「視聴者がどれくらい長く見てくれたか」で、
反応率は、「視聴者がどれくらいチャンネル登録やコメント、高評価をしてくれたか」です。
なので、質の良い台本とは「高い視聴者維持率と反応率を出せる台本」ということになります。
この2つの指標を特に意識してください。
✅3
それではまず、視聴者維持率を高める方法について解説します。
ポイントは3つで、
・分かりやすい文章にする
・冒頭でサムネとタイトルの疑問を解消する
・情報の質とテンポ感で視聴者を繋ぎ止める
です。もちろん細かく言えばたくさんあるのですが、この3つだけ意識していれば大丈夫です。
✅4
まず1つ目の「分かりやすい文章」についてです。
人は、意味のわからない言葉や理解しづらい言葉があると、途端にストレスを感じてしまいます。
ストレスを感じた一部の視聴者は、そのまま動画から離脱してしまいます。
なので、なるべく平易な言葉を使ってください。
例えば、横文字や専門用語は基本的に使わない方がいいです。
使う場合は補足説明を入れるか、聞き役のキャラクターに質問させて解説しましょう。
また、回りくどい表現を使うと脳の処理速度が遅れるので、子どもでも分かる表現にしましょう。
YouTubeの視聴者は集中力がそこまで高くありません。
なので、「中学一年生でも分かる言葉遣い」で表現してください。
✅5
視聴者維持率を上げるための台本作成術、2つ目は「冒頭でサムネとタイトルの疑問を解消する」です。
これを聞いたあなたは、もしかしたら「疑問は最後まで引っ張った方がいいんじゃないの?」
と思うかもしれません。
テレビや映画などではそういった手法もありですが、YouTubeにおいては違います。
YouTubeの視聴者はたった数秒で見続けるかどうかを判断します。
また、「結論が遠いな」と思ったら、途中まで見ていても容赦無く離脱します。
なので、なるべく早い段階で疑問を解消しておく必要があります。
ゆっくり解説のジャンルは「解説」という性質上、
タイトル・サムネは「疑問や問題」を提示することが多いです。
視聴者は「動画を見ないと解決できない疑問や問題」を抱えた状態でクリックしているので、
結論を早く知りたがっています。
ここで早期解決してあげると、視聴者の満足度は高まります。
もちろん、全てを解説する必要はありません。
簡単な結論だけを提供することでスッキリするからです。
ここで勘の鋭い人は「結論を伝えたら離脱されるんじゃないか?」という疑問を持つかもしれませんが、
意外とそうでもありません。
視聴者は一旦結論を知ったら、その経緯や背景、理由などを知りたくなるからです。
なので、「結論は分かったけど情報は全然足りていない」という状態を作ることで、
その後も視聴され続ける台本になります。
有名な映画を例に説明します。
✅6
「君の膵臓を食べたい」という恋愛アニメ映画がありますが、このタイトルは秀逸です。
恋愛アニメに似つかわしくない、グロ系のタイトルなので、視聴者の目を引きますよね。
なので、視聴者は「どういう映画なんだ?」と気になって視聴します。
映画冒頭は、ヒロインの葬式から始まります。ここでまたグッと心を掴まれます。
その後すぐに場面が切り替わり、生前のヒロインと主人公が会話するシーンになります。
その会話は「昔の人は、悪い臓器を治すために、他人の同じ臓器を食べた」というものです。
ここで視聴者は「ヒロインは膵臓を悪くして亡くなったんだ」と分かり、
タイトルで抱いた疑問が解消します。
そこから、「このヒロインが膵臓の病気でなくなるまでの物語」を楽しむ姿勢に変わります。
これは映画の事例でしたが、ゆっくり解説の動画でも同じです。
冒頭でグッと惹きつけて疑問を解消することが、質の高い台本作成の第一歩です。
✅7
視聴者維持率を上げるための台本作成術、3つ目は「情報の質とテンポ感で視聴者を繋ぎ止める」です。
冒頭で疑問が解消されていたとしても、視聴者はまだまだ情報を欲しています。
ここからは「質の高い情報」を「テンポ良く」出していく必要があります。
ここで、情報の質を5段階、テンポの良さを5段階で評価することにします。
✅8
情報の質は、5に近づくほど濃い情報、1に近づくほど薄い情報です。
テンポ感は、5に近づくほどテンポが良く、1に近づくほど悪くなります。
「テンポが良い」とは、文章が理解しやすいこと、短くスッキリまとまっていることを指します。
ここで知ってほしいことがあります。
あるテーマ解説について、情報の質が5に近づくほど、テンポは1に近づきます。
情報が濃くなるほど専門用語や説明する内容が多くなり、文章がどんどん長く複雑になるからです。
逆に、テンポが5に近づくと情報の質は1に近づく、つまり薄くなっていきます。
このバランスを適度にとることが重要になります。
記事を集めた段階だと、情報の質が高いので4や5のものが多くなっているはずです。
もちろんテンポは1か2です。
なので、リライト時は情報の質をなるべくキープしながら、テンポ感を上げます。
ゆっくりは会話形式なので、聞き役のキャラを上手に使うことでテンポ感を上げることができます。
しかし、たまに仮に記事の段階で情報の質が2とか3のものが混じる場合もあります。
そういった記事があった場合は不採用にするか、補足説明を入れてカバーする等の対策をしてください。
伸びていないゆっくり解説のチャンネルを見ていると
情報の質が1~3くらいしかない動画を上げているものをよく見かけます。
完全にリサーチ不足ですね。
また、情報の質が高くてもテンポ感が1~3ばかりで見づらい動画もあります。
リテラシーが高い一部の層には響きますが、多くのYouTube視聴者は離脱してしまいます。
こういう事態にならないよう、情報の質とテンポ感を意識して台本を書き進めてください。
✅9
次に情報取捨選択の判断基準ですが、ご自身の中でラインを設定することをオススメします。
例えば、質とテンポ感の評価合計が「6以上」なら採用、5なら要検討、4以下なら不採用、などです。
情報の質が4でテンポ感が2なら採用、情報の質が3テンポ感が1なら不採用といった具合です。
完全に個人の主観になりますが、このような判断基準を持つことが、
維持率の高い台本を作る上で活きてきます。ぜひ、設定してみてください。
✅10
ここからは、反応率を上げるための方法について解説します。
あなたは、視聴者が反応する動画にはどんな特徴があると思いますか?
文章力でしょうか。表現力でしょうか。
それも間違いではないですが、
僕は「共感される動画」「感情を揺さぶられる動画」だと、反応率が高まると思ってます。
人は、自分に当てはまる話や、思い出を重ねられる話に共感します。
そして、共感したらコメントや高評価などの行動を起こしたくなる傾向があります。
✅11
このために必要なのが「視聴者理解」と「Q&Aサイト」です。
視聴者理解とは、視聴者の性別や年齢、職業、趣味嗜好などです。
これらを理解してターゲット設定すると、共感をグッと引き出しやすくなります。
✅12
例えば視聴者の多くが40代男性だと分かっている場合は、
中間管理職あるあるや年収あるある、家族あるあるなどを入れることができます。
あるあるネタをたくさん収集しておいて、台本に組み入れてみてください。
あるあるの中でも強力なのは「悩み」です。
例えば「新卒社員が飲み会に来なくて上司が不機嫌」とか「思春期の娘に煙たがられる」などですね。
こういった「悩み」をたくさん収集できると、良い台本が作れます。
使い方としては、聞き役のキャラに「ターゲットの悩みあるある+動画テーマの質問」を話させると、
同じ悩みを持つ視聴者が共感します。
例えば食の雑学で「飲食店の不祥事」を取り扱う場合、
「業績が落ちてボーナスが出なかったから外食に行けなくなった。
でも給料日に奮発して飲食店に行ったのに、粗末な料理が出てきてイライラしまった」のような使い方です。
ただ「粗末な料理が出てきた」だけよりも、共感力は高まると思います。
このような「悩み」を収集する場所が「Q&Aサイト」です。
Yahoo知恵袋や教えてgooなどですね。
ガールズチャンネルや発言小町にも良いネタがたくさんあります。
そういったサイトで「年収 低い」などと検索すれば、年収で悩んでいる人の投稿がたくさん出てきます。
それらを収集して台本に組み入れると、一気に共感力の高い台本になります。
このQ&Aサイトの声は、他にも使い方があります。
✅13
クチコミやネットの声として利用すると、情報の質を上げる効果があります。
例えば、ある情報の質が1や2しかないけどネタとして使いたい場合、
補足情報を入れて質を上げる必要があります。
しかし、情報力がそもそも1や2しかないようなテーマであれば、
それ以上調べても出てこない場合がほとんどです。
例えば「〇〇という心霊スポットがある」程度の情報の場合、
それを調べても「住所」や「近隣の施設」くらいしか出てきません。
その時にQ&Aサイト等で心霊スポット名を検索すると、
そこに行ったことのある人の書き込みが見つかったりします。
そういった書き込みが3つ以上あれば情報の質が高められます。
ただ、書き込みをそのまま解説役のキャラに読ませても味気ないです。
そういう時には「声を変える」というテクニックが使えます。
ゆっくり系動画を作る編集ソフトではたくさんの声が使えます。
ゆっくりボイスといいます。
例えば解説キャラに「これに関してネットの声を拾ってきたよ」などと紹介させて、
ゆっくりボイスを変えてそのまま読ませるといった方法が使えます。
ゆっくりボイスはたくさん種類がある上に、トーンや速度を変更すればバリエーションを出せるので、
ぶっちゃけ何人でも登場させれられます。
このテクニックを使って「ネットの声紹介」だけで1個の見出しにすることも可能です。
汎用性の高いテクニックなので、ぜひ取り入れてみてください。
✅14
次に「視聴者の感情を揺さぶる」というテクニックについて解説します。
「機能的価値と情緒的価値」という言葉をご存知でしょうか?
機能的価値とは「知識がつく」「生活に役立つ」という情報です。
情緒的価値とは「面白い」「怖い」「うざい」「悲しい」など、感情を刺激する情報です。
機能的価値が高いコンテンツは辞書やWikipedia、学校の授業などです。
情緒的価値が高いコンテンツはレビューや個人の感想、ドラマやバラエティ、漫画などです。
辞書を読むよりも、漫画や小説を読む方が面白いと感じる方が多いと思います。
それと同じで、人は感情が刺激されると話しが面白く感じます。
この情緒的価値の力を使うと、 ただ事実を並べた台本よりも魅力的になります。
そして、人は感情が高まると行動をしたくなります。
バラード系の歌動画にコメントが多いのをご存知でしょうか?
読んでもらえると分かりますが、多くの人が自分の過去の話をコメントに書いています。
高評価率も高い傾向にあります。
人は感情を動かされると、何かしらの行動を起こしたくなるからだと考えています。
なので、反応率を高めたいなら情緒的価値を入れまくってください。
✅15
また、多くの視聴者は感情の激しい変化に依存する傾向があるので、
1つのコンテンツで乱高下させられるのがベストです。
有名な事例を紹介します。
新海誠監督が、Twitterで「君の名は」物語構成表を公開していました。
どういう感情をどうやって刺激しているか、
どうやって揺さぶっているかが視覚的に分かるので紹介しますね。
グラフの高い位置はポジティブな感情を、低い位置はネガティブな感情を刺激しています。
プロはここまで作り込んでいます。
ここまで緻密にはやっていませんが、
僕も「どの感情を、どういう順番で、どのように刺激するか」について、
ある程度固定しています。例えば、
前半では共感、好奇心、怒り、恐怖、不安などのネガティブな感情を刺激し、
後半では安心、楽しい、誰かに話したいなどのポジティブな感情を刺激します。
数十本の動画で実験・分析した結果、惹きつけ力が強いのは「共感・怒り・恐怖」です。
特に「共感」は強いので、ここを刺激したいです。
狙った感情を狙い通りに揺さぶられる人が「良い台本作成者」です。
漫画家、小説家、ドラマの脚本家、テレビの構成作家はこの1点のために死力を尽くします。
ぜひ、「視聴者の感情」を常に頭の中に描きながら、台本を書いてみてください。
最後にマル秘的なテクニックをお伝えします。
✅16
それは、コンテンツ視聴後に「行動したくなるコンテンツにする」というものです。
人は「何かのコンテンツを見て行動を起こしたら、その動画に対して強い愛着を持つ」
という傾向があります。
例えば、あるアニメがキッカケで音楽などを始めると、そのアニメをずっと好きになるようなものです。
他にも、動画がきっかけで生活習慣を変えたとか、紹介された店に言ったとか、
商品を買ったりすると、どんどん愛着が高まっていきます。
さらに言うと、その行動によって「ポジティブな影響が出た」場合、
視聴者のファン度はグッと上がります。
なので、動画の最後は役立つ情報を提供すると、長く愛されるチャンネルを作ることができます。
これはコメントや高評価のように「データとして見える反応」ではありませんが、
着実にファンを増やすことのできる方法です。
これが、反応をとりやすい台本を作る上での原理原則、本質中の本質です。
ぜひ覚えて、取り入れてみてください。
少し長くなりましたが、今回の講義は以上です終わります。
お疲れ様でした。
✅1
今回は、ゆっくり解説とは切っても切り離せない「画像挿入」について解説します。
テーマは著作権について、画像の切り替えや頻度の考え方について、注意点についてです。
まず、一番大事な著作権についてです。
✅2
画像を含め、ネット上にあるコンテンツは全て「誰かの著作物」だと考えてください。
つまり「著作権者がいる」ということです。
誰かの著作物を使用する際は、著作権者に許可を取る必要があります。
著作権者の権利は「著作権法」という法律によって守られているからです。これが大前提です。
✅3
ただし、全ての著作権者に許可を取っているとキリがないですよね。
なので、ネット上のコンテンツは各サイト等が独自のルールで著作権を管理しています。
それが「クリエイティブ・コモンズ」であったり「各サイトの利用規約」であったりします。
例えばたくさんのイラストや写真が集まる画像サイトがあったとします。
そのサイトの利用規約が「誰でも無許可で使っていいよ」となっていて、
かつクリエイターが「著作権についてはサイトの利用規約に準ずる」と表明していた場合は、
そこにある画像は誰でも使用することができます。
わざわざクリエイターに許可をとる必要はありません。
これが、「クリエイティブ・コモンズに準ずる」とあれば、
クリエイティブ・コモンズのルールに従って利用することができます。
素材サイトはたくさんありますが、それぞれに利用規約があるのでしっかり確認してください。
✅4
ちなみに著作権侵害は「親告罪」、つまり告訴がなければ公訴を提起することができない犯罪です。
公訴とは、検察官が裁判所に被疑者を起訴することです。
被害者の訴えがない限りは起訴されないので、著作権違反の画像を使っている人は多いですし、
それをあえて見逃している著作権者もいます。
ただし、正式に認められてはいないですし、状況が変わったら侵害の申し立てをされるリスクがあるので、
基本的には誰の権利も侵害しない素材を使ってください。
✅5
なお、個人のブログやサイトなどの画像を使う際は、許可が必要です。
もしくは著作権フリーのものを使ってください。
また、アニメや漫画のイラストを自分で書く場合も気をつけてください。
コンテンツによっては、ガイドラインで二次創作を禁止している場合もあります。
二次創作をする場合は、ガイドラインを確認した上で行ってください。
また、よく質問を受ける「引用」の考え方について説明しておきます。
引用とは、著作権法にある要件を満たせば素材を使っていいとする取り決めのことです。
具体的には「出典元を記載する」「改変しない」などの要件があります。
ただし、「引用か著作権侵害か」は著作権者が決めることになっています。
自分が「引用の要件を満たしていたから著作権侵害には当たらない」と言っても、
著作権者が「これは侵害だ」と言えば、侵害になってしまいます。
ケースバイケースで「これが正解」というものはないので、
ご自身でしっかり調べて素材収集をしてください。
素材の収集先は、特典の「オススメ素材サイト集」にリンクを貼っているので、
そこから探してみてください。
✅6
次は、台本への画像挿入方法について解説します。
そもそも画像挿入の目的はなんだと思いますか?
僕は、「文字情報を補足すること」「視聴者を飽きさせないこと」だと考えています。
なので、画像選びについては、文字情報でイメージしづらいことや、
理解を促進するようなものを選んでください。
なお、画像でなく動画を使っても大丈夫です。
例えば何かの話題で国の話になった時、文字だけではどこの国か分かりづらい場合があります。
そういう際には、国旗と地図、あとはその国を象徴する建築物や名産品があると理解しやすいですよね。
そのような判断基準で選んでください。
逆に、テロップの内容とリンクしてない場合、視聴者が意味を考えてしまいます。
それがストレスになって離脱される恐れがあるので、無意味な画像を挿入するのは避けてください。
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次に頻度ですが、画像の切り替えを増やせば増やすほど視聴者の離脱を防ぐことが可能です。
編集時間とのバランスを考えながら、なるべく高頻度で画像を切り替えることをオススメします。
また、画像を複数枚載せる必要がある時は一枚ずつ表示させたり、
その際にフェードインやズームインなどのアニメーションをつけたり、
切り替え時に効果音を入れたりすることで、視聴者の集中力を高められます。
ここぞ、という箇所でぜひやってみてください。特に冒頭でやると効果が高くなります。
ここでの注意点は「同じ画像を多用しないこと」です。
視聴者が飽きてしまう恐れがあるのと、少し安っぽくなるからです。
やむを得ない理由がある場合を除けば、画像は全て違うものを使用してください。
やむを得ない場合とは、編集が間に合わない場合や、素材サイトに縛りがある場合です。
後者の具体例として、「いらすとや」の素材を使う場合があります。
いらすとやさんの素材には「1コンテンツにつき21点以上使用する場合は有料」というルールがあります。
ただし、重複はまとめて1点扱いなので、21点を超えそうな場合は、同じものを使うことで回避できます。
他の注意点として、他者の個人情報等が載っている場合は、必ずモザイクや黒塗りで隠してください。
最後に、台本挿入時のコツについて紹介します。
画像を挿入するタイミングは、「台本作成時」か「編集時」かのどちらかになります。
台本作成時に挿入する場合は、Googleドキュメントで、
切り替えタイミングの文章直前に画像を挿入すると分かりやすいです。
編集時に挿入する際は、画像のファイル名を挿入順にすることで、
編集ソフトへ入れた時に順番を入れ替えずにすみます。
あとはテロップに合わせて画像を挿入すればOKです。
特に難しいことはないので、実際に手を動かして挿入してみてください。
以上で、台本の書き方についての解説を終わります。
書き終わったら、必ず次のチェック項目を確認してください。
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・タイトルに対する答えが載っているか?
・中学1年生でもわかる文章になっているか?
・画像は無断使用していないか?(フリー素材なら原則 OK)
・使用した画像は台本内容に沿ったものであるか?
・動画は読者が知りたい内容に直結したものか?
・視聴者の感情は刺激できているか?
・視聴者の悩みは解消されているか?
・自分で読んで人に紹介できる台本になっているか?
・「この台本、面白い、役に立つ」と自分で思えるか?
・誤字脱字改行は問題ないか?
・不自然な日本語になっていないか?
・文頭や文末が被っていないか?
これらのチェックが問題なく済めば、次はいよいよゆっくり動画の編集になります。
それではお疲れ様でした。